推薦図書/教材
【自閉症とABA】
シーラ・リッチマン(著)井上雅彦・奥田健次(監訳)テーラー幸恵(訳) 2003 自閉症へのABA入門 親と教師のためのガイド.東京書籍.
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自閉症とABA(応用行動分析)の、保護者や教師、学生向けの入門書としては国内初。日常生活スキルの支援方法、不適応行動の改善方法だけでなく、地域社会への参加、きょうだいとのかかわりなど、これからの問題についても幅広く紹介している。
【自閉症児のことばの指導】
奥田健次(著) 2004 自閉症児の言語獲得プログラム:私の支援の視点.アスペハート第7巻,25-33.NPO法人アスペ・エルデの会.
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自閉症児のコミュニケーション支援の特集で、ことばの獲得に焦点をあてて解説しました。今回、試みとして自閉症児のことばの特徴を7段階に分類してみました。もちろんながら、いかなる分類法があろうと、子ども個人を目の前にしたときは、子ども一人ひとりへの丁寧な個別アセスメントが必要です。そして、私が提供しているプログラムのいくつかを抜粋して紹介しています。あくまで、メニューリストであって順番通りにやればよいというものでもありません。「こんな課題もあるんだ」「これは出来てきたけど、次はこの辺りかな」という程度にお役立ていただけます。『うちんく本館』のマンガと共に、参考にして下さい。
【特別支援教育】
加藤哲文・大石幸二(編著) 2004 特別支援教育を支える行動コンサルテーション 連携と協働を実現するためのシステムと技法.学苑社.
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学校や家庭、地域社会において問題をかかえる子どもに対して、応用行動分析学の立場から子どもにかかわる人々にコンサルテーションを行うことを、行動コンサルテーションといいます。学校教育現場では、「連携」という言葉を聞くことがあっても、何のために、どのように連携したらよいのか、不明であることが少なくありません。本書は、行動コンサルテーションのシステムや技法を紹介した、わが国では初めての一冊です。これからの特別支援教育において、この行動コンサルテーションによる支援は必要不可欠だといえます。学校関係者は必読。
【行動分析学】
島宗理(著) 2000 パフォーマンス・マネジメント-問題解決のための行動分析学-.米田出版.
(書評)
日常生活上の問題を、行動分析学を応用して解決に導くための方法論を紹介。主人公や家族、友人とのエピソードを題材に、ABC分析を分かりやすく、たくさん例示しているので、読み終える頃には、初心者でもABC分析の見方に慣れるだろう。読みやすいので、どんな領域の人にもお薦めできる一冊です。
【行動分析学】
島宗理 2004 インストラクショナルデザイン-教師のためのルールブック.米田出版.
(書評)
小中学校、高等学校の教員、大学教員にかかわらず、あらゆる場面での「指導・教育」「マニュアル・案内」まで含めて、よりよい指導の方法、評価法が分かりやすく解説されています。誰でも「あの先生、教え方が下手だったなあ」といった思い出があるのではないでしょうか。著者の書物は、読み物としてもスイスイ読めるので皆さんにお薦めできます。
【行動分析学】
日本行動分析学会(編)浅野俊夫・山本淳一(責任編集) 2001 ことばと行動:言語の基礎から臨床まで.ブレーン出版.
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いよいよ話題の一冊が出版されました。ことばに関して、行動分析学の基礎研究から応用研究まで、最新の知見が満載されています。私もその中の1章を担当しています(第9章 認知発達と言語行動:「心の理論」研究から)。かなり読み応えのある専門書なので、大学院生以上が何度か読み直さないと難しいかもしれません。執筆者側にとっても難産というか、重度の便秘というか、脱糞ぃゃ脱稿してスッキリ(失礼)、というのが率直な感想。。。しかしながら、発達障害を持つ子どもへの「ことばとコミュニケーションの支援」についての専門書としては一番信頼のおけるものになることは間違いないといえます。
【行動分析学】
杉山尚子・島宗理・佐藤方哉・マロット, R.・マロット, M. 1998 行動分析学入門.産業図書.
(書評)
心理学に興味のある方が最初に選ぶべき1冊といえるでしょう。ついつい「総説ナントカ心理学」とか「心理学ほにゃらら」とか、心理学を知るために「心理学」と冠のついた本を選んでしまうのは分かります。しかし、本書の著者らは真の心理学者で、この本を読み進めることで読了後に「心理学のなんたるか」の一端に触れられるよう、スモールステップ化されています。分かりやすい事例、日常例も盛り沢山で、「使える心理学」を学ぶには現時点で最高の本ですね。私も授業やゼミ・研究会で使っています。
【行動障害】
シガフーズ・アーサー・オレイリー(著)園山繁樹(監訳) 2004 挑戦的行動と発達障害.コレール社.
(書評)
従来、問題行動としてみられていた発達障害児の行動は、その行動をせざるをえない理由がある。その視点からは『挑戦的行動』と呼ぶことにして、その行動の背景にある機能を分析し、本人や周囲の人々にとって、より適切な別の行動を支援していく方向性がある。倫理的問題や医学的問題についても触れられており、日本ではまだ馴染みのない介入技法も紹介され、さらに行動障害の予防的視点まで論じられているところに大きな価値があるといえる。多少、難解であるかもしれないが、チャレンジしてほしい。
【臨床心理学】
ロバーツ・D・ナイ 1992 臨床心理学の源流・フロイト・スキナー・ロジャーズ.河合伊六訳.二瓶社.
(書評)
本書は、今日の心理学に大きな影響を与えた三巨匠、フロイト、スキナー、ロジャーズの理論が、それぞれ明快に解説されており、臨床心理学を学ぼうとする人だけでなく、他の理論を知ろうとする方々におすすめできます。また各学派の基本的な文献もきちんと掲載されており、本書から興味を持った分野の文献を探すのにも役立ちます。
【教材・教具】
・精研式CLAC絵カード 金子書房
(寸評)
自閉症児への行動療法用に開発された絵カード教材。マッチングや命名のマニュアル付き。
・トーキングカードプレーヤー SONY
(寸評)
カードに貼り付けてある磁気テープを読み上げる機械です。絵や文字と、音声のマッチングが出来るとても良い教材だったのですが、どうやら現在は絶版(?)のようです。でも、似たような教材が別の会社から出ているという情報もあります。
・テーブルと椅子 ひかりのくに
2人用机塗りA2S
W-33000/15300(税抜き定価)
椅子背付メッキFSM
W-02000/4350(税抜き定価)
(寸評)
幼児用のテーブルと椅子ですが、成人が利用しても疲れません。子ども用の椅子だけ買うのではなく、指導者用の椅子も必要なので、同じ椅子を2つ用意しましょう。
【特別支援教育】
柘植雅義(編著) 2006 これならできる“LD・ADHD・高機能自閉症への対応”考え方・取り組み方と今やらなければならないこと.教職研修7月号増刊.教育開発研究所.
(書評)
平成18年度から、通級による指導が弾力化されたことなど、特別支援教育に関する最新の話題がニーズ別にまとめられている。小中学校の管理職、教諭、コーディネーターにとって手元においておくべき1冊である。保護者にも、わが子にどのようなサービスが利用できるのか知るために、お薦めします。
こちらも参照して下さい。
http://kenjiokuda.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_3e88.html
【リハビリテーション】
河合伊六(監修)辻下守弘・小林和彦(編著) 2006 リハビリテーションのための行動分析学入門.医歯薬出版.
(書評)
ようやく出版されました。リハビリテーションの分野では初めての行動分析学の入門書である。PT・OT・STはじめ、医師や看護師にも読みやすいトピックや具体的な症例がちりばめられている。
こちらも参照して下さい。
http://kenjiokuda.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_ccc8.html
【臨床発達心理士】
学会連合資格「臨床発達心理士」認定運営機構 (編) 2005 臨床発達心理士 わかりやすい資格案内.金子書房.
(書評)
臨床発達心理士の資格取得にあたって、基本的な文献資料。
こちらも参照して下さい。
http://kenjiokuda.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_afd5.html
【応用行動分析学と子育て】
河合伊六(著) 2000 困った子どもとのかかわり方―行動分析による新しい保育・教育.川島書店.
(書評)
子どもが示すさまざまな「困ったこと」について、行動分析学的な視点からたくさんの具体例を挙げて平易に解説されている。多くの医師、カウンセラー、教師、保育士が「思い込んでいること」が、どれほど間違っているのか、これを読むだけで気が付くのではないだろうか。ブログで紹介したら多くの方が購入されたようで、みなさんが現代の子育てにかなり手を焼いているのだろうと思いました。
こちらも参照して下さい。
http://kenjiokuda.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_49e2.html
【いじめの具体的解決法】
バーバラ・コロローソ(著) 2006 いじめの根を絶ち子どもを守るガイド―親と教師は暴力のサイクルをいかに断ち切るか.東京書籍.
(書評)
読む前は、「いじめの本なんてどうせ役に立たないだろう」と思い込んでいたが、読んでみると具体的な解決方法や予防のための指針が提案されている。現実的な問題として、いじめの問題への介入は容易なものではないが、周囲の大人たちが本気で取り組むならば決して子どもらの前で無力な大人でいることはなくなるだろう。訳文のチェックと帯のコピーを提案させていただきました。
こちらも参照して下さい。
http://kenjiokuda.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post.html
【行動分析学】
杉山尚子(著) 2005 行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由.集英社.
(書評)
行動分析学が、他の心理学とどのように異なるのかよく分かる一冊だろう。今まで、これほどコンパクトにまとめられた類書は無かった。コンパクトであるが、スキナーの言語行動(verbal behavior)にまで踏み込んでおり、体系的でもある。心理学を学ぶ人はもちろん、変な言い方だが「心理学を馬鹿にしている人」にも読んでもらいたい。「こんな心理学らしくない心理学があったのか」と思うほど、行動分析学のユニークさが見て取れるだろう。
こちらも参照して下さい。
http://kenjiokuda.cocolog-nifty.com/blog/2005/11/post_e1f6.html
【心理学一般】
渡辺芳之・佐藤達哉(著) 2000 図解 心理学のことが面白いほどわかる本―本当のことがホントにわかる! 中経出版.
(書評)
「性格って変えられるの?」「相性って何?」というような、心理学に興味を持ち始めた人が何気なく考えるようなトピックについて、分かりやすい切り口で解説されている。書店で類書は見かけるが、間違いなくこの本を手に取るべきである。著者らはマニアックではあるが(失礼!)、間違いのない心理学者。本物の心理学者でありながら、ここまで読みやすい入門書はなかなか書けるものではない。高校生にもこの本を薦めているが、高校生でも楽しく読めることは間違いない。
こちらから。