コキンほんわか集 巻第十一
# カーネルおじさんが奴隷になる日(2003年9月11日)
なんやしらんが火星が大接近しとるわな。そのせいかどうかはわからんけども、そろそろケンタッキーのカーネルおじさんが危ないで。特に関西を中心にカーネルおじさんが失踪する可能性があるんよ。阪神が優勝すること自体、天変地異が起きたも同然のことやから。18年前に阪神が優勝したとき、カーネルおじさんが誘拐されたのは有名(一部では自分で歩いて日本シリーズを見に行ったまま帰らないという説も)。他には、タクシーが逆さにされたり。天井のランプが壊れたやろうし、釣り銭もバラバラになったんちゃうかな。とにかく今頃、カーネルおじさんの足は鎖で縛られて、さながら奴隷のごとき哀れな姿をさらしとる(それなのにカーネルおじさんは笑ってるけど)。阪神ファンは18年分、溜め込んだストレスの分だけお金をジャンジャン使って、日本経済を活性化させてや。ホンマに経済効果があるんやったら、財務省が球団を買うてくれるかもしれん。阪神の名前を残してもろうて。「国立阪神タイガース」とか、今風に「特別行政法人阪神タイガース」とかな。
# くだものはみずみずしく(2003年9月18日)
干し柿、干しぶどうとかっていう「干し系くだもの」は許せん。くだものは何と言ってもみずみずしさが命や。干すな、干したらあかん。干しリンゴって、おいっ!! そんなもんまで干すなよ。なんか、じーさんやばーさんを食べるみたいな気がしてしもうて。まあ、「干し系くだもの」の消費者こそ、じーさんやばーさんなんかもしれんが。ってことは共食いか? おれもじーさんになったら「うむ、この干しリンゴの、ほのかな甘みが何とも秋を感じさせる美味じゃのぉ」などと言うてるんやろか。いやとにかく、干してもいいものは椎茸とか魚までやって。そんな中、最高のデザートに出会ったわい。カネボウフーズの「おいしさまるごと凍らせちゃいました」シリーズの「びわ」「パイン」「もも」。毎晩、食べてます。「びわ」だけ内容量が少ないのに高い。昔、びわなんて庭先になっていたのに。くだものは新鮮に食べるか凍らせるか。これに限るわ。
# JAFが来るまで(2003年9月26日)
ガス欠。それは突然やってくる。夜中の対面通行の高速で、まあ心細いもんですわ。路肩に停めてJAFに連絡。40分かかるとのこと。追突死の危険極まるその間に、高速出口で待つ弟子とのメール会話。
弟子「師匠、いかがなされました」
おれ「うむ、ガス欠のようぢゃ。JAFに連絡したところぢゃ」
弟子「迎えに行きましょうか?」
おれ「わしはJAFを信じておる。あと30分ほどで到着するはずぢゃ」
弟子「今さっき、JAFのトラックが私の前に停まって缶コーヒーを買って闇に消えていきました。もしや…」
おれ「それぢゃ!! コーヒーやとっ!? ふざけるな!! こっちは死にかけとるのに」
弟子「いま、道路公団の車も向かったようです」
おれ「道路公団は民営化されるのか? いまJAFがきたぞ。コーヒーくさいわ!!」
弟子「おそらくボスのコーヒーです」
死にかけとるっちゅうのに。JAFの到着まで46分かかったわ。この6分がコーヒータイムやったわけやな。拝啓JAF様。「作業後の コーヒーにまさる 味はなし」 コーヒータイムは一仕事終えてからにしようや。
# お前は格さんか?(2003年10月8日)
ちらっと見えた。水戸黄門の印籠(徳川家の家紋)をケータイ待受にしている女子高生。お前は格さんか。。ケータイ見せてひざまずかせるのかね?
# 胃潰瘍には気を付けて(2003年10月16日)
ピロリ菌。胃潰瘍の原因となる悪玉ね。悪玉のわりに名前がかわいいやん。このままやったら、NHKのなつかしのキャラクター大集合に出てくる、「じゃじゃまる」と「ぴっころ」の友達やんか。「じゃじゃまる、ぴっころ、ぴろり」ゆうてな。「ぼくわぁ、悪玉なのだー♪」とか歌ったりしてな。せやけど、悪玉なら悪玉らしい名前にしとき。例えば、ゲロリ菌とかドロリ菌。グロリ菌にテロリ菌。コロリ菌ってのもかわいいようで恐ろしいわな。
# デーブとたかた(2003年10月27日)
新発見や。徹夜明けでボーっとテレビをつけっぱなしにしてるとき、昼前やのに「ジャパネットたかた」の社長の声が。しょうもない社会派ダジャレを連発してるから、カシオの電子辞書に「ダジャレ辞典(完全収録版)」が加わったのかいなと思っていたら、なんとその声の主はデーブ・スペクターやねん。もしかして、たかた社長はアメリカ生まれなのかしらん。ところで、気になるのはたかた社長の微妙な変化ね。今までのプレゼンでは、「(大声で)この、ビデオカメラ本体に、三脚、キャリングバッグ、さらにバッテリーをもう1つ付けまして!! まだありますよ、このテープを3巻つけまして!! これだけのセットですよ!! これだけのセットでお値段はっ!!」のあとに、早口小声で「きゅーまん、きゅーせん、はっぴゃくえん(ケロリ)」とやっていた。それが、最近は早口小声にせずに値段を大声で言うことが増えてたりする。ケロリに戻したほうがええよ。
# 〆切 執念の対決(2003年11月7日)
(プロジェクトXのナレーター、田口トモロヲのように読むこと)炎のエンターテイナー、藤川ケンジ。すでに昼食の時間が過ぎているのを忘れていた。しかたがないので、そこにあったキャラメルコーンの袋を開けた。気品ある赤い袋。少年の頃にはあこがれだった。むさぼり食うように食べた。少年時代には避けていたアーモンドもなにげに食べた。袋が空っぽになるまで、あっという間だった。再び藤川はパソコンと対峙した。深夜24時までに仕上げなければならない原稿が2つ残っていた。執念を燃やした。電話が鳴った。藤川は電話線を外した。携帯が鳴った。携帯の電源も切った。刻一刻と流れる時間。迫る締め切り。藤川は焦った。1つ目の原稿を終えたのが22時だった。あとわずか2時間。その時、持病の偏頭痛が藤川を襲った。眼球も痛む。10時間以上、パソコンと格闘していたのだから無理もない。藤川は自分の体を守るのを諦めた。この2時間、藤川は鬼になった。修羅となって書き続けた。。。ついに完成した。そのとき時計の針は24時を刻む10分前であった。藤川は痛む額の汗をぬぐった。書類を送ろうとインターネットを繋いだ。だが、ここで衝撃的な事態が生じた。インターネットが繋がらない。何度やっても繋がらない。サーバの故障だった。藤川は絶句した。もはやこれまでかと思ったとき、抜いていた電話線の姿が藤川の目に飛び込んだ。藤川はすぐに電話線をパソコンに繋いだ。モデム回線に切り替えた。藤川は祈った。その祈りは聞き届けられた。インターネットが繋がった。原稿を送った。すぐに原稿拝受の返信が編集室から届いた。編集室の男達もまた、藤川の原稿を待ち続けていた。こうして男達の闘いは終わった。
藤川はベートーベン「英雄」を流して瞑想した。しばらくして藤川はやり残した仕事を片づけ始めた。気が付くと時計は深夜3時前であった。振り返れば今日一日、キャラメルコーンしか食べていなかった。(この辺りから中島みゆきのエンディング)空腹ではなかったが、走らせ続けた体のために、藤川はコンビニへ出かけた。ポテトサラダとお茶を胃袋の中に流し込んだ。コンビニの店員は、夜中にポテトサラダを買いに来る客の意味も分からぬまま、闇に消えていく男を眺めていた。藤川ケンジの旅はまだ終わらない・・・(この辺りでエンディング絶頂。ナミダ誘う演出で)。←誘わへんって。