奥田研究室 / Kenji Okuda's Lab
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コラム


ABA日記
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ABAソリューションの活動 No.3

 

■ABA日記■(2004年8月6日)

『オーストラリアン・セッションは大盛況!!』
 2004年7月末、神戸にて国際会議が開かれました。『世界行動療法認知療法会議(WCBCT)』という3年に1度の国際会議です。私は今回、自分にまったく似合わない役員を仰せつかり、準備をちょこちょこやっていましたが、なぜか直前に口頭発表のチェアパーソン(座長)を仰せつかりました。自分の『幕末えげれす語』でもまあええんかと思って、安請け合いしたのが大成功? おもしろい結末が。。。
 セッションは、「発達障害、コミュニケーション障害、破壊的障害」に関するもので、オーストラリアからの研究グループが3組、韓国から1組でした。ところが、直前で韓国からの研究グループが来日キャンセル。このキャンセルした人は、私と一緒に座長を務める方でもあったのです。事務局側は「代理の座長を探しましょうか?」と気を利かせて下さったのですが、私は「いえ、一人でやらせて下さい」と返事しました。内心「オーストラリアンだけになったな。しめしめ、一つ笑わせてやろか」とほくそ笑んだのです。
 夜中というか朝までかけて、私はイントロダクション用のパワーポイントを作成しました。そして、スタート。まあ、日本語に翻訳するとこんな感じで。

(ミリタリー系ファッションで座長席に座ったあたりから、場内は少しざわめきが)
「はい、どーも。座長の奥田健次です。自分は、応用行動分析家で行動療法家、大学で研究を生業にしてますねん。今日は、時間があるのでセッションを始める前に、これを見てくらはりますか」
(奥田が『新選組!』の本物衣装を着たスライドを提示)
「ほら、これぞ『日本の本物、ラスト・サムライ』よ」
(場内、笑いと驚きの声。私の新選組姿を写真でパシャパシャ)
「どないや、私の着ているこの印象的なキモノ。これは、新選組といって日本で最も強いサムライ集団やった。ほんで、集団の中でハラキリを一番やりまくったサムライ達よ。まあ、ちょうど俺の生き方と同じやね」(場内・笑)
(次のスライドで、プレゼンする研究者全員を紹介する)
「ところで、今回は残念なんやけどね、韓国からの発表は急遽キャンセルになったんよ。あっ、そうや。今回はみなさんそれぞれ会ったことのない集まりやけど、お互いファーストネームで呼び合いましょ」
(次のスライドで、今回のセッションは奥田流に仕切らせてもらうことを表示)
「今回は、時間がかなりあるので、発表と質疑応答の時間をそれぞれ長くしましょう。質問のある人は、発表者がプレゼンの途中でもええから、いつでも手を挙げてどうぞ。質問がなかったら、ちょっと早めに切り上げて、みんなで飲みまひょ」(場内・笑)
(最後のスライドを提示)
「とにかく、もうお気づきやと思うけど、今回はオール・オーストラリアン・セッションになってしもた」(と言うと、会場から「すばらしい」「ええこっちゃ」などの掛け声あり)
「私は日本のことが大好き。んで、オーストラリアのこともめっちゃ好きやねん。ほーら、見てみて・・・」
(と言った後、スライドに1枚の写真がゆっくり現れる。あ、これシドニーのオペラハウスやん。ありゃりゃ、さっきのサムライが・・・という仕立て)(場内・歓声)
「これは去年、本当に自分がシドニーに行ったときの写真ね。そろそろ故郷が恋しいでしょ? さて、ありがとう。では、始めましょう」(場内・拍手)

 こんな感じでね、たまたま自分のパソコンのハードディスクに『新選組』の写真とシドニーに行ったときの写真が入っていたから、こんな前フリができたわけ。セッションはもちろん、大盛況でした。計画通り、プレゼン中にも質問がバンバン出まして、予定時間を一杯に使うことになりました。相変わらず、オーストラリアの訛りのある英語が聞き取りにくかったけどね。「8」を「アイト」って言うし、「ABC」は「アービーシー」やから。慣れるのに時間が掛かるんよね。
 セッション後、スピーカー数名との雑談の中で、ある教授は「ケンジ、あのサムライの写真をメールで送ってくれないか?」と。私は「着てみたいんなら、衣装あるけど」と言うと、「いやいや、日本へ行ってサムライ座長のセッションで発表した記念に」やって。まあ、思い出に残ってくれたのは間違いないでしょう。
 また別の教授には、私の叔父一家がシドニーで永住していること、いとこがシドニーの大学で教員をやっていること、奥田の主な専門が自閉症へのABAであることなどを話しました。そしたら、「よしゃ、ケンジ。シドニーに来るんならここに遊びにおいで」と名刺にサインをしてもらい、交換しました。この教授は、キッドマン先生といいます。
 後で知った話ですが、この教授は『ニコール・キッドマン』の父親だということです。映画は『ハリソン・フォード』しか知らない私は、勝手に男子プロゴルファーかなあと思っていてね。この話を学生やら仕事仲間やらにしたら、みんな口をあんぐり。オーストラリアの叔母とも電話で話をすると「オーストラリアで一番有名な人よ。知らないのはケンジだけ。そっちのほうが驚きよ」やとさ。トム・クルーズの元嫁で、最近は露出度の高い大女優だってね。叔母によると「キッドマンさんの家と、ウチの家は近所よ」だって。まあ、オーストラリアの近所って、信用したらあきません。何せ広大。
 なーんか因縁を感じます。オーストラリアには血の繋がった親戚がいる、キッドマンも私も大学教員、トム・クルーズ自身はLD(学習障害)だという話もあるし、自閉症の映画『レインマン』の共演者やったね。自分の専門とかぶってる。そんで、セッションで何も知らずに「本物のラスト・サムライは俺だ!!」って吠えたけど、本物の映画『ラスト・サムライ』はそういえばトム・クルーズか。たまたまとはいえ、不思議な因縁やね〜。
 ちなみに、オーストラリアでは今回のプレゼンテーションも、どちらかというと認知に傾いた行動療法でしたし、応用行動分析は必ずしもメジャーな訳ではなさそうでした。発達障害のほうではメジャーなのかな、よく分かりません。

 







 



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